“国連生物多様性の10年”採択に向けて、NGOイニシアティブに賛同しよう

2010年は国連が定めた「国際生物多様性年(IYB:International Year of Biodiversity)」であるが、これをさらに延長し「国連生物多様性の10年」とすべきである、と、CBD市民ネットの運営委委員などが中心となって呼びかけを行っている。

我々バイオダイバーシティ・インフォメーション・ボックスもこの呼びかけに賛同を表明している。

呼びかけ文・賛同団体登録用紙などはCBD市民ネットのサイトからダウンロードできる。

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「国連生物多様性の10年NGOイニシアティブ」のよびかけ
※以下、呼びかけ文より転載

生物多様性条約(CBD)COP10では、現行の2010年までの戦略計画(2010年目標)を改訂し、新しい戦略計画2011-2020が採択されます。この新戦略計画は2020年を目標として生物多様性の喪失を止めるための緊急行動として、5つの戦略目標と20の到達目標を挙げています。

「生物多様性2010年目標」はCBDで決議されたものの、国連全体の動きとはならず、一般市民の認知も低く、実質的に生物多様性の喪失をくい止めることはできなかった、という反省を残しています。

新戦略目標の達成のためには、国連機関、各国政府、市民、企業、研究者などあらゆるセクターの参加が不可欠です。

そこで私たちは、2010年国連「国際生物多様性年」を延長し、2011年から2020年までの10年間を「国連生物多様性の10年」とし、戦略目標をモニタリングしながら達成にむけてあらゆるセクターが参加することを提案してきました。

日本政府はこれを受け、2010年5月のCOP10準備会合(条約の実施とレビューに関する作業部会)において「国連生物多様性の10年」決議案を提出しました。この決議案はCOP10での決議を経て、国連総会において採択されることを目指しています。

私たちNGOメンバーはこれを支援し、新戦略目標の実現にむけ活動するために、「国連生物多様性の10年NGOイニシアティブ」を以下のように提案します。これは、COP10における新戦略目標の議論に参加し、2020年までに新戦略目標を達成するため自らも行動することを宣言するものです。

1.私たちはCBD‐COP10および国連総会において「国連生物多様性の10年」決議が採択されることを支持します。

2.COP10で採択される生物多様性戦略目標の2020年までの達成に向けて行動します。私たちはこのイニシアティブへの参加を国内外のNGO、市民社会に呼びかけます。

【呼びかけ人】
高山進:生物多様性条約市民ネットワーク共同代表
吉田正人:生物多様性条約市民ネットワーク共同代表、IUCN日本委員会
武者小路公秀:生物多様性条約市民ネットワーク顧問
伊藤昌尚:生物多様性市民ネットワーク運営委員、日本湿地ネットワーク
伊藤よしの:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、ラムサール・ネットワーク日本
稲場雅紀:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、動く→動かす(GCAPジャパン)
今井麻希子:生物多様性条約市民ネットワーク事務局
大沼淳一:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、生命流域作業部会長代行
川廷昌弘:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、普及啓発作業部会長
草刈秀紀:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、生物多様性関連法作業部会長
倉澤七生:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、生物多様性の10年作業副部会長
呉地正行:生物多様性条約市民ネットワーク水田作業部会長、日本雁を保護する会
河内聰雄:生物多様性条約市民ネットワーク地域ネットワーク作業部会長
小林邦彦:生物多様性条約市民ネットワーク遺伝資源へのアクセスと利益配分に関する作業部会長、ASEEDJAPAN共同代表
駒宮博男:生物多様性市民ネットワーク運営委員
古南幸弘:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、(財)日本野鳥の会
坂本有希:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、地球・人間環境フォーラム
清野聡子:生物多様性条約市民ネットワーク沿岸・海洋生物多様性保全に関わる作業部会長、九州大学准教授
道家哲平:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、(財)日本自然保護協会
服部徹:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、生態系と生物多様性の経済学作業部会長
花輪伸一:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、WWFジャパン
羽後静子:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、ジェンダー・マイノリティテーマ作業部会長
原野好正:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、生物多様性の10年作業副部会長
浜口真理子:生物多様性条約市民ネットワーク人々とたねの未来作業部会事務局、CSOピースシード
星野智子:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、一般社団法人環境パートナーシップ会議
松井宏宇:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員
山下洋:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員
吉川秀樹:生物多様性条約市民ネットワーク沖縄地域作業部会長、沖縄・生物多様性市民ネットワーク
柏木実:生物多様性条約市民ネットワーク運営委員、生物多様性の10年作業部会長

【経緯】
2009.09.06 IUCN日本委員会主催の「生物多様性条約COP10 1年前プレシンポジウム」で、日本雁を保護する会会長呉地正行氏が「生物多様性の10年」を提案
2009.10.10,11 「生物多様性条約1年前シンポジウム」の発表の中でIUCN上席研究員J.マクニーリー氏、CBD事務局長A.ジョグラフ氏が「生物多様性の10年」について言及
2009.11 モントリオールABS会議におけるCBD事務局との意見交換の中で、CBD市民ネットが「生物多様性の10年」に向け活動する意向があることを伝える
2009.11.23 CBD市民ネット運営委員会においてCBD市民ネットとして取り組むことを決定
2009.11.24 COP10円卓会議でCBD市民ネットが「生物多様性の10年」実現を目指して取り組むことを発表
2009.11.27 環境省第2回生物多様性企画・広報委員会にて「国連生物多様性の10年」への取組みを提案
2009.12 CBD市民ネット「生物多様性の10年作業部会」設立
2009.12.16-18 CBD新戦略計画に向けたアジア地域ワークショップにて参加者、日本政府関にロビイング
2010.01.08 外務省とCBD市民ネットの間で意見交換を開始(その後、随時継続)
2010.01.23 CBD市民ネット総会において国連生物多様性の10年決議に向けた課題を共有
2010.01.25 環境省第1回地球いきもの委員会にて「国連生物多様性の10年」への取組みを提案
2010.02.28 CBD事務局長A.ジョグラフ氏と「国連生物多様性の10年」に関し打ち合わせ
2010.05.18 本イニシアティブの賛同団体の募集を開始
2010.05.28 CBD条約の実施とレビューに関する作業部会会合において、国連生物多様性の10年決議案がCBD-COP10に議題として提出されることが決定

【今後の日程】
2010.09 賛同団体集約(国連ハイレベル会合に向け)総会に向けて、日本のNGOの方針を表明
2010.10 CBD‐COP10/MOP5で世界のNGO・NPOからイニシアティブのサインを集める
2010.12 国連総会の決議が通る時期に、石川県のクロージングイベントを新たな10年のオープニングイベントとし、内外のNGOが集まって、活動を開始する
2011.03- CBD市民ネット活動停止後も国連生物多様性の10年に沿った活動の確認のために毎年集まる予定

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